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個人部門 | |
冲永荘一博士記念大賞(最優秀賞) | |
学校法人東京女学館 東京女学館高等学校2年 近藤 里香さん |
私の夢はアートをもっと身近にすることである。なぜアートは必要なのか。中学三年生の時、修学旅行で沖縄を訪れた。戦時中の厳しさを物語るガマや優しい笑顔で迎えてくれた地元の人々と触れ合うことで感じ取ったものを絵(図②)で表した。ガマから見える美しい海と月桃の花。沖縄戦では県民の四人に一人が犠牲になったという。命の大切さを唱える"命(ぬち)どぅ宝(たから)"の精神を私なりに描いて皆に伝えた。このようにアートは人の心に訴える表現をすることができる。また、インスタグラムで写真を撮るなど、若者のアートへの関心がある今だからこそ、日本にアートを増やしていく必要がある。そしてアートは人間のインスピレーションやアイディアを高める力を持っている。さらにアートによって自分の好みが分かるので主体性が育ち、社会においての協調性に繋がる。東京五輪のキャラクターやシンボルマーク等のデザインも来たる2020年に向けて、視覚的に盛り上げていく効果が高い。アートを取り入れることで人の心を大きく動かし、説得力を増す。アートには改革的な力があるのだ。よってアートに触れる機会を増やすべきだと考える。
自分ができることとしては、アート活動に参加することから始めたい。アートの魅力を伝える手段はいくらかあるように思える。自分自身が作り手となることはもちろん学芸員として作品の解説を行う、アートコンシェルジュとして企画運営やプロデュースをすることでアートをより多くの人に知ってもらうなどの方法がある。公共施設に絵画やオブジェを飾るというのも一つの手だ。例えばホスピタルアート。私が通っていた病院の壁にも心温まる絵が飾られていた。病気の方にも文化的生活を提供して一瞬でも心を癒してもらうことが大切だ。アートに触れることで目に見えて健康になるだとか、幸せになるだとかの値は測れない。しかし私は言葉や数字にならない感覚も大事にするべきだと思う。病を抱える人にとって、その感覚は救いになることがある。私が病院の絵によって気持ちが楽になったように。
このように人々のエネルギーになるアートを広めていきたい。自分自身がアートを発信していくことで日本全体がアートに関心を持ち、国の文化予算の改善にも繋がればよいと考える。アートに関わって日本中はもちろん世界中の毎日をワクワクさせていきたい。